この物語は、かつて一緒に暮らしていたふたりの猫との思い出をもとにした短編小説(フィクション)。
ふたりの名前は、はなとぶん。
今、もし”天国”っていう場所が本当にあるのなら
きっとふたりは、ぬくぬくと日なたぼっこでもしているんじゃないかな。
いや、私がそう思いたいだけかもしれないけど…。
窓辺にちょこんと座って、外の景色を見ながらまどろんでいる姿。
目に浮かぶようで、思わずふっと笑ってしまう。
ときどき、部屋の中でふたりの気配を感じる事がある。
まだ捨てられないネコ用のテントの中、ソファの上、帰ってきた時の扉のむこう側…。
上げたらキリがないけど、誰もいないのに視線がフッと引き寄せられる瞬間。
『あれ?はな?ぶん?』
って思うことが確かにある。
まるでそこに、ふたりでちょこんとすわっているいるようなーーそんな気がして。
気のせい…だよね?そんなの百も承知。
でもね
そこに感じる、ふたりの存在感。
私は、これが案外心地よかったりもする。
『まだそばにいてくれているのかな』
って思わせてくれるから。
はなとぶんと過ごした日々は、私にとって宝物のような時間だった。
それは今も、心の奥で静かに、ちゃんと息をしている。
そんなふたりとの日々を、少しだけ、ほんの少しだけ短編小説という物語として綴ります。
笑ったり泣いたりーー小さな事件や、静かな奇跡の瞬間を集めて。
きっとこれは、ふたりへの手紙。
もしよかったら、読んでみてほしい。
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