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短編小説

【ふたりといた時間】第17話:はじめてのお風呂、兄弟の絆

はなとぶんをお風呂に入れるというのは、もう戦場だ。リビングで捕まえようとすると、するりと転がって逃げるはな。 そういえば引っ越しの車中で、キャリーケースの中で「にゃあぁぁっ!」と大げさに鳴いて、大変な抗議の嵐だったっけw。——まずは、はなか...
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【ふたりといた時間】第16話:段ボール城と毛だらけ王国

秋の気配が、部屋の隅っこにまで染み込んできたころ。我が家では、季節の変わり目ならではの——小さな騒動が起きていた。リビングの一角に、ひとつの段ボール。引っ越しのときに使ったそれが、なぜかずっと居座っている。ほんとはもう、とっくに片付けてるは...
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【ふたりといた時間】第15話:ついにぶんの抱っこデビュー

私は結構な頻度で"細かい"って言われる。 たぶん、自分でもわかってる。そういう性格なんだ。何かを始めるとき、私はいつもイメージトレーニングをする。 成功のイメージだけじゃない。『もしこうなったら?』『ああなったら?』と、頭の中で何通りもパタ...
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【ふたりといた時間】第14話:はなの“たっちゃーん”とよぶ日

朝ごはんを食べ終えて、ひなたぼっこして、窓の外の鳥をしばらく眺めたら――ふたりの中で、なんとなく「食後の甘えん坊タイム」が始まる時間になる。私がソファに座ると、ぶんがゆっくり歩いてきて、私の足元で丸くなる。そのすぐ後を追うように、はながやっ...