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短編小説

【ふたりといた時間】第13話:ふたりのやらかし日記

留守番中のふたりが、今日もまた、何かしらやってくれていた。仕事から帰ってきて、玄関の扉を開けた瞬間、ふんわり漂う――どこか湿ったような、嫌な予感のする香り。『あれ……?』リビングに入って、まず気づいたのは――クッションが、ひとつ、妙にふわっ...
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【ふたりといた時間】第12話:ぶんと掃除機の仁義なき戦い

引っ越して、まだ間もない朝のことだった。はなとぶんは朝ごはんを食べ、窓辺でひなたぼっこ。お気に入りのルーティンを終え、ふたりしてまったりくつろいでいた、そのとき。私は、そっと壁に立てかけてあった――掃除機を取り出した。カチッ。スイッチを入れ...
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【ふたりといた時間】第11話:引っ越し大作戦、始まる!

『なんか…最近、狭くない?』🟩第2章:にぎやかな毎日(11~25話)フッとつぶやいたその声に、応えるように視線を上げたのは――ソファとベッドをしれっと占領している、ふたりの猫だった。はなはベッドのど真ん中で、きれいに丸くなって寝ている。ぶん...
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【ふたりといた時間】第10話:やっと、家族になった日

朝から、心に決めていた。今日はもう、絶対に外に出ない。誰とも会いたくないし、何もしたくない。仕事の疲れも、気疲れも、全部ブランケットにくるんでしまいたい。『ソファから一歩も動かない』っていう、ちょっとした宣言みたいなもの。それが今日の予定表...