信州・善光寺から西側へ少し歩いていくと、小高い場所にひっそりと佇むお寺があります。それが「往生寺」です。ここは、平安時代末期に出家した苅萱道心（かるかや どうしん）が、人生の最期を過ごした場所と伝えられています。
山の中腹に位置する往生寺は、清らかで静謐な雰囲気に包まれていて、訪れる人の心をそっと穏やかにしてくれます。そして何よりも魅力的なのが、童謡「夕焼け小焼け」のモデルになった鐘と、そこから一望できる絶景です。
そんな往生寺へ、初詣に行ってきました。
苅萱道心と石堂丸 〜往生寺の由来〜
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往生寺の歴史を語るうえで欠かせないのが、苅萱道心と、その息子・石堂丸（いしどうまる）の物語です。
この話には諸説あり、個人的な解釈も含まれています。ご了承のうえ、お読みいただければと思います。
1-1 苅萱道心の出家の決意
かつて苅萱道心は、九州・福岡のある地の領主でした。世の移ろいを感じ、やがて仏門に入る決意をします。生まれたばかりの我が子を残し、道心は出家の道を選ぶのです。
1-2 石堂丸、父を求めて旅立つ
月日が流れ、息子・石堂丸が14歳になった頃、父が高野山にいるらしいという噂を聞きつけます。石堂丸は、母とともに高野山を目指して旅に出ました。
しかし高野山は女人禁制の地。母は山門の外に残り、石堂丸だけが山を登っていきます。
1-3 父と名乗れぬ道心の葛藤
高野山で石堂丸は、どこか懐かしい面差しの僧と出会います。
それが、父・道心でした。互いに直感で親子だと気づきながらも、道心は修行僧という立場上、自らが父とは名乗れませんでした。それでも、道心は石堂丸を優しく諭し、「母のもとへ戻るように」と語りかけます。
1-4 母との別れと新たな決意
石堂丸が宿へ戻ると、母はすでに亡くなっていました。
旅の疲れが、思った以上に体にこたえていたのでしょう。
悲しみに暮れながらも、石堂丸はもう一度高野山へ戻ります。
あの優しい僧に、弟子入りを願うために。
1-5 師弟としての日々
母を失った悲しみのなか、石堂丸は懸命に高野山を登りました。
道心はそんな石堂丸を受け入れ、弟子として迎えます。ふたりは親子であることを胸に秘めながら、師と弟子として修行の日々を送ります。
1-6 苅萱道心、再び旅立つ
けれど、道心の心の奥には常に葛藤がありました。
――この子に、父と名乗ることができない。
その苦しみが次第に修行の妨げになると悟った道心は、ある日突然、高野山を去ります。
1-7 信州・善光寺へ
道心がたどり着いたのが、信州・善光寺の地でした。山の中腹に庵を構え、道心はひたすら地蔵尊を彫り続けます。「世の中の人々が安らかでありますように」と、ただひたすらに。
1-8 親子地蔵の誕生
道心が83歳になったころのことです。
身近な人に「もう一体、地蔵を彫って“親子地蔵”と名付けてほしい」と遺言を残し、この世を去ります。
その知らせを夢で受け取った石堂丸は、父の想いを継ぎ、自らも一体の地蔵を彫ります。
父が残した地蔵と並ぶ、もう一体の地蔵。
これが、今も往生寺に残る「親子地蔵」です。
往生寺の見どころ
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往生寺の魅力は、なんといっても堂内の「親子地蔵」と「夕焼け小焼けの鐘」。
今回は、夕焼け小焼けの鐘をご紹介します。
2-1 童謡のふるさと、夕焼け小焼けの鐘
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お堂の左手に進むと、童謡「夕焼け小焼け」のモデルとなった鐘があります。
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作曲は長野県出身の草川信さん。
作詞は村雨紅さんで、そばには直筆の歌碑もあります。
2-2 鐘からの眺めは…絶景！
鐘のそばから見える景色は、何も言葉にできないほどの絶景。
静かで、雄大で、ただそこに立っていたくなるような景色です。
2-3「往生地」という地名にまつわる話（？）
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往生寺がある地区の名前は「往生地」。この地名にも、ちょっとした伝説があります（※出典不明。妄想かも…）。
昔、善光寺に参拝した人々は「これで極楽浄土へ行ける」と胸をなで下ろしながらも、ふと思ったそうです。
「極楽浄土って、どんな場所なんだろう？」
その疑問に応えるように、善光寺から山道を登った先にあったのが往生寺。
屋台が並び、おやきや団子、茶屋などが立ち並ぶ坂道の先にあった“浄土のような場所”。
そのことから、この地は「往生地」と呼ばれるようになった――
……かもしれません（未確認情報です😂）。
アクセス&営業時間
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・住所：〒380-0871 長野県長野市大字西長野往生地1334
・営業時間：8:00~17:00
・定休日：無
・駐車場：有
まとめ
今回は、
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苅萱道心と石堂丸の物語
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親子地蔵と夕焼け小焼けの鐘の紹介
を中心にお届けしました。
やや長くなってしまいましたが、初詣の訪問記録として書いてみました。
それではまた。
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