短編小説 【ふたりといた時間】第17話:はじめてのお風呂、兄弟の絆 はなとぶんをお風呂に入れるというのは、もう戦場だ。リビングで捕まえようとすると、するりと転がって逃げるはな。 そういえば引っ越しの車中で、キャリーケースの中で「にゃあぁぁっ!」と大げさに鳴いて、大変な抗議の嵐だったっけw。——まずは、はなか... 2025.09.15 短編小説
短編小説 【ふたりといた時間】第16話:段ボール城と毛だらけ王国 秋の気配が、部屋の隅っこにまで染み込んできたころ。我が家では、季節の変わり目ならではの——小さな騒動が起きていた。リビングの一角に、ひとつの段ボール。引っ越しのときに使ったそれが、なぜかずっと居座っている。ほんとはもう、とっくに片付けてるは... 2025.09.08 短編小説
短編小説 【ふたりといた時間】第15話:ついにぶんの抱っこデビュー 私は結構な頻度で"細かい"って言われる。 たぶん、自分でもわかってる。そういう性格なんだ。何かを始めるとき、私はいつもイメージトレーニングをする。 成功のイメージだけじゃない。『もしこうなったら?』『ああなったら?』と、頭の中で何通りもパタ... 2025.09.01 短編小説
短編小説 【ふたりといた時間】第14話:はなの“たっちゃーん”とよぶ日 朝ごはんを食べ終えて、ひなたぼっこして、窓の外の鳥をしばらく眺めたら――ふたりの中で、なんとなく「食後の甘えん坊タイム」が始まる時間になる。私がソファに座ると、ぶんがゆっくり歩いてきて、私の足元で丸くなる。そのすぐ後を追うように、はながやっ... 2025.08.25 短編小説
短編小説 【ふたりといた時間】第13話:ふたりのやらかし日記 留守番中のふたりが、今日もまた、何かしらやってくれていた。仕事から帰ってきて、玄関の扉を開けた瞬間、ふんわり漂う――どこか湿ったような、嫌な予感のする香り。『あれ……?』リビングに入って、まず気づいたのは――クッションが、ひとつ、妙にふわっ... 2025.08.18 短編小説
短編小説 【ふたりといた時間】第12話:ぶんと掃除機の仁義なき戦い 引っ越して、まだ間もない朝のことだった。はなとぶんは朝ごはんを食べ、窓辺でひなたぼっこ。お気に入りのルーティンを終え、ふたりしてまったりくつろいでいた、そのとき。私は、そっと壁に立てかけてあった――掃除機を取り出した。カチッ。スイッチを入れ... 2025.08.11 短編小説
短編小説 【ふたりといた時間】第11話:引っ越し大作戦、始まる! 『なんか…最近、狭くない?』🟩第2章:にぎやかな毎日(11~25話)フッとつぶやいたその声に、応えるように視線を上げたのは――ソファとベッドをしれっと占領している、ふたりの猫だった。はなはベッドのど真ん中で、きれいに丸くなって寝ている。ぶん... 2025.08.04 短編小説
短編小説 【ふたりといた時間】第10話:やっと、家族になった日 朝から、心に決めていた。今日はもう、絶対に外に出ない。誰とも会いたくないし、何もしたくない。仕事の疲れも、気疲れも、全部ブランケットにくるんでしまいたい。『ソファから一歩も動かない』っていう、ちょっとした宣言みたいなもの。それが今日の予定表... 2025.07.28 短編小説
短編小説 【ふたりといた時間】第9話:だっこはまだ、ちょっとこわい ぶんが初めてこの家にきた日のことを、思い出していた。押入れの奥、布団に半分うずもれるようにして、じっと身を固くしていた。あの時のぶんは、どこか「近づいてくるな」と言いたげで——私はただ静かに、息をひそめるしかなかった。けれど今ならわかる。あ... 2025.07.21 短編小説
温泉と自然 【散歩日記】宝光社。静けさを探して 「戸隠、行ってみようかな」仕事の合間にふと浮かんだ言葉だった。今週は土曜も出勤だから、半休を取った。ただ休むだけじゃ、心が休まらない。だから、山に行こうと思った。宝光社までの道中で思った事誰にも会わずに、静かな場所で、無心で歩く。それが今の... 2025.07.18 温泉と自然趣味