短編小説 【ふたりといた時間】第19話:夜中の大運動会 あたりは真っ暗。カーテン越しに、街灯のオレンジ色がぼんやりと差し込んでいる。時計を見れば、深夜1時。静かすぎる夜——のはずだった。……ドドドドド!どこかで何かが転がる音。続いて、「ウォーン!」という軽めの鳴き声。『……やってるな』はなとぶん... 2025.09.29 短編小説
短編小説 【ふたりといた時間】第18話:またたび食べて酔っ払い事件 またたびをあげてみようと思ったのは、ある日ふと読んだ本に"猫のストレス解消になる"と書いてあったから。仕事で家を空けることが多い私は、ふたりに寂しい思いをさせているかもしれないと、ずっとどこかで気にしていた。せめて、ほんの少しでも気晴らしに... 2025.09.22 短編小説
短編小説 【ふたりといた時間】第17話:はじめてのお風呂、兄弟の絆 はなとぶんをお風呂に入れるというのは、もう戦場だ。リビングで捕まえようとすると、するりと転がって逃げるはな。 そういえば引っ越しの車中で、キャリーケースの中で「にゃあぁぁっ!」と大げさに鳴いて、大変な抗議の嵐だったっけw。——まずは、はなか... 2025.09.15 短編小説
短編小説 【ふたりといた時間】第16話:段ボール城と毛だらけ王国 秋の気配が、部屋の隅っこにまで染み込んできたころ。我が家では、季節の変わり目ならではの——小さな騒動が起きていた。リビングの一角に、ひとつの段ボール。引っ越しのときに使ったそれが、なぜかずっと居座っている。ほんとはもう、とっくに片付けてるは... 2025.09.08 短編小説
短編小説 【ふたりといた時間】第15話:ついにぶんの抱っこデビュー 私は結構な頻度で"細かい"って言われる。 たぶん、自分でもわかってる。そういう性格なんだ。何かを始めるとき、私はいつもイメージトレーニングをする。 成功のイメージだけじゃない。『もしこうなったら?』『ああなったら?』と、頭の中で何通りもパタ... 2025.09.01 短編小説