2026-01

はなとぶんの時間

【ふたりといた時間】第35話:ふたりの目が合った夜

こたつの中から、かすかに聞こえる寝息。ふたりの丸い背中が、寄り添うように並んでいる。いつの間にか、寝る場所は3人一緒になっていた。はなが好きな猫用のソファは、こたつの中に入れてある。いつも愛用していたひざ掛けも、そっと敷いた。夜、はながトイ...
はなとぶんの時間

【ふたりといた時間】第34話:手の中の命の重み

はなは、もう、今までみたいには歩けなくなってきた。ゆっくりなら歩ける。だけど、すぐに座り込んでしまう。ふらついて、転んでしまうこともある。ほんの少しの移動も、きっと今のはなには冒険だ。だから私は、ある日、そっとはなを抱き上げた。『ちょっと、...
はなとぶんの時間

【ふたりといた時間】第33話:知らないふりがつらい

はなは、今日も「元気だよ」って顔で寄ってくる。ぶんもそのあとを追いかけてくる。まるでいつも通りの朝が、何の変哲もなく始まっていくみたいに。——でも、私は知っている。はなの呼吸が、朝方に少し苦しそうになること。寝ている時間が、前よりずっと長く...
はなとぶんの時間

【ふたりといた時間】第32話:ぶんの声が遠く感じた日

夜、ふと目が覚めた。それは、どこか遠くから聞こえるような、ぶんの鳴き声だった。——いつもの巡回。毎晩、相変わらずぶんは家の中をぐるっと歩きながら、「んあお〜ん」と狼みたいに鳴く。まるで家全体に「見守ってるよ」と言っているみたいに。でも、その...